
街角で外国語をよく耳にすることが多くなった昨今、2014年の訪日外国人は過去最高となる1,341万人を記録しました。(※1)。また、2015年上期の「日経MJヒット商品番付」でも、訪日外国人による消費を意味する「インバウンド旋風」が東の横綱に選ばれたり、中国人観光客の「爆買い」など、日本経済でも訪日外国人の存在が大きくなってきました。中国などアジア諸国からの訪日外国人による消費は今年も更なる拡大が見込まれる中、日本国内に店舗を持つ企業にとって、いかに訪日外国人に来店を促すかが課題となってきています。
バリューコマースがMasterCardと共同で提供を開始する『インバウンドCLS(カード・リンクト・サービス)』は、中国、香港、インドなどアジア太平洋地域(APAC)諸国からの訪日外国人に対して、日本国内の店舗に来訪を促進するサービスです。
『インバウンドCLS』を導入している日本の店舗は、MasterCardがAPACで展開するロイヤリティプログラムの会員8,360万人に対して、自社の店舗・サービスを訴求することができ、訪日時に実際に来店・商品購入したときのみ手数料を支払う成果報酬型で、総合的なプロモーションを実施することができます。本サービス利用者は、店舗で商品を買う際、支払いにクレジットカードを使用するだけでポイント・キャッシュバックなどの特典が得られるため、特典をフックとした高い来訪促進効果が見込まれます。導入に関しては、店舗側はクーポンの読み込みなどの追加オペレーションやシステム開発は一切不要です。
百貨店、ドラッグストア、家電量販店、アパレル、ホテル、レストラン等といった実店舗をもつすべての企業様にご利用いただけるサービスとなっております。
訪日外国人の増加にともない、企業同士での訪日外国人客の獲得が加熱していると予想されます。トレンドに合わせたターゲットに対して訴求力の高いアプローチをしていくことが必要になってくるでしょう。
※1…日本政府観光局
◆クロスフィニティ考察
最近では「訪日観光客に向けたプロモーション施策」や「インバウンドマーケティング」などの言葉をよく耳にするようになりました。バリューコマースが提供する「インバウンドCLS(カード・リンクト・サービス)」は、来日前に、MasterCardのロイヤルティプログラム会員向けのポイントサイトや、請求書・メルマガなどで告知を行い、来日した際に日本店舗への送客を図るプログラムで、成果報酬モデルで実現可能な「O2Oソリューション」です。
これまではスマートフォンを利用し、クーポンやQRコードの発行が主流で進められてきた「O2O」ですが、インバウンドCLSでは、クレジットカード決済を行うことで「顧客はポイントが付与されること」や「広告主は成果報酬で実施する事が可能」なため、利用者の拡大が期待できそうです。
また、既に日本国内で多くの新規顧客の拡大施策を行っており、獲得進捗率が伸び悩んでいる広告主にとっても、インバウンドの波を本サービスの有効活用によって、新たな市場を取り込むことが可能かもしれません。
今後、「認知」→「来店」→ポイント付与による「購入」に留まらず、例えば、来店履歴や顧客データを活用し、オンラインでのリピート購入を促進させたり、オンライン上で顧客毎にマッチした商品情報をバナーやメールで訴求するなど、取得したデータの活用にも期待したいです。これらが実現出来れば、インバウンドの波によって一時的に売り上げを伸ばすだけでなく、海外の顧客を日本のECサイトでも囲い込むことが出来るようになる為、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)にも活かせます。このように、広告主にとって価値の高いプロモーション施策となっていくと考えられます。多くのEコマースのアフィリエイトプロモーションを手掛けてきたバリューコマースに、今後も注目をしていきたいです。