今回は弊社が業務提携をしているseoClarity社の記事から、アンサーボックス表示傾向調査(米国編)前編をご紹介します。
■Google アンサーボックスとは何か?
Googleのアンサーボックスは、Googleの検索結果ページに表示される独自の表示形式で、ナレッジグラフを通して、あるいはクエリに対し的確に回答をしているサイトから収集された情報を表示します。通常は検索結果ページの上部、広告の下に表示されます。
このインスタントアンサーは、簡単な文章による回答と、そのソースとなるURLからなる表示枠です。この機能を通じ、Googleは検索結果をユーザーがクリックすることなく、直接回答を表示しようと試みています。
■Googleがあなたの質問に答えてくれる
この知恵の塊とも言えるアンサーボックスについてより詳細を見ていくために、4,000万件以上のキーワードを調査してみました。今回は米国のPC検索での結果に焦点を当てています。この中で、アンサーボックスが表示されたのは400万件をわずかに下回るものでした。約9.5%に相当するため、アンサーボックスが検索結果に表示される比率は確かに顕著なものがあります。CTRやそこから得られるトラフィックは、1位のポジションよりも高くなることも想定されるため、こうした状況は全てのサイトにとって大きなチャンスとなるでしょう。
■アンサーボックスの調査結果

アンサーボックスの表示結果に関して、ウィキペディアは400万件のアンサーボックスの15.4%を占め、大きな差をつけています。健康関連サイトでは、WebMD、Mayoclinic、Healthlineを合わせて4.8%を占めています。
また、Googleはモバイル検索における健康関連のアンサーボックスについても進展が見込まれると言っています。金融関連では、Investopediaが一定の存在感を示しており、私はこの分野は将来的に増加する余地があるのではないかと考えています。

これらの上位10ドメインはアメリカですべて広く知られており、それぞれの分野に関する情報源として妥当なものと捉えられています。検索エンジンがそうしたものを識別する主な方法の1つは、ページランクに似たリンクデータと指標によって判断することです。
これらのドメインのMajesticによる評価指標を見ることで、これらのドメインが他のドメインに比べアンサーボックスに表示されやすい理由を知ることができます。アンサーボックスに登場する上位サイトのトラストフロー(TF: 信頼度に関する指標)とサイテーションフロー(CF: 影響度に関する指標)は、最大100のところ平均80を超える高得点となっています。合わせてそれらフローの比率(CF/TF)が平均より2倍優れていることを意味します。
※トラストフロー(TrustFlow)…リンクが貼られているサイトがどれほどリンクを受けているかという影響力をあらわすMajestic社の指標。リンクの量に基づく評価。(指標値:0~100)
https://ja.majestic.com/support/glossary#TrustFlow
※サイテーションフロー…どれほど信頼できるサイトからリンクを貼られているかという信頼度をあらわすMajestic社の指標。リンクの質に基づく評価。(指標値:0~100)
https://ja.majestic.com/support/glossary#CitationFlow

アンサーボックスが表示された400万キーワードを検索ボリューム別にグラフ化すると、対数グラフが描き出されます。推定85のキーワード検索ボリューム区分に対し、56の区分でアンサーボックスが表示されていました。グラフでは、アンサーボックスがミドルやテールワードで、または検索ボリュームが1,000以下のもので高頻度に表示されることを示しています。

これをより明確に把握するために、1クエリあたりの単語数を見ていきます。これはアンサーボックスが表示されるクエリの65%以上が3~5語以内に収まっていることを示しています。この少しくずれたような釣鐘曲線は、クエリの長さ(単語単位)がアンサーボックスの表示に関わるものかどうか、示唆を与えてくれます。

全アンサーボックスの約4分の1で、だれが、どこで、いつ、なぜ、何、どのように (who、where、when、why、what、how)などの疑問詞が含まれています。これら質問に関わる言葉は一般にクエリの先頭(クエリの最初の2単語)に出てきます。先頭に出てくる頻度の高い上位10語とクエリ全体に対する比率について、以下に示します。

これらの一部はWebMDなど医療関連のサイトでより多く見受けられました。WebMDのクエリの大半は上記のパターンに沿ったものでした。先頭は「どのように(how to)」「何(what is)」で始まっていました。しかし、全てのサイトがこのパターンに沿っていたわけではありません。例えば、金融関連で言うと、Investopiaではクエリの大半が「何(what is)」で始まり、次に「定義(definition of)」で始まっていました。このことは一部のフレーズがある分野に特有のものであることを示しており、極めて妥当な結果と言えるでしょう。
後編に続く