
こんにちは。R&D(リサーチ&ディベロップメント)の小山です。
今回のコラムでは先日に引き続き、5月15日(金)に開催した当社主催の「Cross Forum 2015〜コンテンツマーケティング・CRO・スマートフォンSEOが繋ぐオウンドメディアの未来〜」のレポート・第2弾をお送りいたします。
第二部
認知のデータを獲得に変える!
~データドリブンなコンバージョンレートオプティマイゼーション~
データアーティスト株式会社 代表取締役社長 山本 覚氏

▼セミナー概要
第二部ではデータアーティスト株式会社・山本様にご登壇頂き、「ターゲティング」と「DMP」とは、そしてデータ分析・解析を基にしたCRO施策のポイントやSNS解析ツールを用いた最適化等を中心に、データドリブンなCROについてご紹介頂きました。
*セミナーでは、5種類のターゲティング・DMP・ソーシャル解析等を活用した改善について、実際の企業様オウンドメディアでの改善事例を交えてお話頂きました。
▼セミナー要点
セミナー冒頭ではデータアーティスト株式会社様・山本様のご紹介、そして「なぜターゲティングが必要なのか」について身近な事例を交えた解説にて、第二部はスタート!
5種類のよく使われるターゲティング
時間帯別のターゲティング
リファラ(検索キーワード)に連動したターゲティング
エリア(IP)に連動したターゲティング
UAによるターゲティング
クッキーによるターゲティング
⇒セミナーでは、上記5つのターゲティングについて、実際の企業様サイトでの具体的な改善事例・結果を交えてお話頂きました。
例えば「3.エリア(IP)に連動したターゲティング」の改善事例については、全国5拠点で展開する眼科クリニック様サイト上で、訪問ユーザーの地域に連動したクリニックを表示するターゲティングを実施。結果来院申込CVRを約2倍に改善した事例を紹介。
DMPを使ったターゲティング
・DMPとは:「データマネジメントプラットフォーム」の意味でデータを統合してマーケティングを良くする仕組み
⇒DMPの登場で、より詳細なターゲティングへの道が開かれたといえます。
・DMPでできるようになったこと
└性別、年代でターゲティング
└趣味、嗜好に応じたターゲティング 等
*DMPを活用したサイト上のCVR改善については、ECサイトを運営する企業様の、性別や趣味嗜好に応じたDMPターゲティングの導入事例と改善結果をご紹介頂きました。
DMPを使ったペルソナ構築
・DMPの情報はクリエイティブプランニングにも活かすことが可能、その特徴とプロセスとしては以下3点が挙げられます。
一人ひとりのユーザーが調べたキーワードをサンプリング
洗い出したキーワードをマッピング→ネットワーク化→グループ化
プランニングの構築
▼まとめ
・人の興味は多くのデバイス・コンテンツ・チャネルの出現などで流動的に変化していくので、自社オウンドメディアの訪問者データの分析や解析、さらにソーシャルデータ等を活用し「潜在的な需要」をつかんでいくことが今後はより大切になってくると考えられます。
▼登壇者プロフィール
データアーティスト株式会社 代表取締役社長 山本 覚氏
東京大学博士課程在籍時に人工知能を専攻。その後アイオイクス株式会社のLPO事業部にプロダクトマネジャーとして、LPOツール「DLPO」の全アルゴリズムを開発し、2013年にデータアーティスト株式会社を設立。
現在「DLPO」は300社超に導入され、4年連続LPOツール売上NO.1となっている(2011年~2014年)
第三部
レオパレス21の問い合せ率を1.5倍に上げた「セグメント別最適化」とは?
~A/Bテストの先へ。統計的手法を用いた分析・最適化事例~
株式会社レオパレス21 賃貸営業企画統括部 理事統括部長 佐々木 竜也氏
クロスフィニティ株式会社 CROディビジョンマネジャー 田中 宏明

▼セミナー概要
第三部では株式会社レオパレス21 ・佐々木様と弊社・田中の両名によるセッションで、レオパレス21様のPCサイト問い合わせ率を1.5倍に上げた各種CVR改善施策と、スマホサイトにおける3ヶ月間・18のCVR改善施策についてご紹介頂きました。
*セミナーでは、サイト上で実際に行ったA/Bテストの具体的な手法や要因分析等についても解説頂きました。
▼セミナー要点
・PCサイトでのCVR改善
⇒A/Bテストで1.25倍のCVR改善+セグメント別最適化によりA/Bテストの効果を約2倍=約1.5倍のCVR改善
・スマホサイトでのCVR改善
⇒約3ヶ月間で18の施策を実施し、「物件詳細」から「問合完了」までの遷移率を、116%改善(目標は110%UP)
各種テストをやる際のポイント
予想できるもの、できないものがあることをまずは認識
結果が予想できるものであればすぐにやるべき
結果が予想しにくい、できないものであれば、A/Bテストで試してみるべき
*ただ、サイト来訪するユーザーを「ひと塊」で考えるのではなく、最適化した情報をそれぞれのユーザーに届けることが必要ということが言える
⇒ターゲティング×テスト=「セグメント別最適化」
・施策効果が良いとわかっている場合
⇒ターゲティング
・そうではない場合
⇒仮説→検証→最適化→仮説・・のサイクル&属性ごとの結果に基づいた最適化が必要
*実際サイト上で実施しましたA/Bテストのクリエイティブパターンや各テストの詳細結果(数値)の紹介については割愛させて頂きます。
▼まとめ
レオパレス21様のように、PC・スマホサイト共にCVRを大きく改善することに成功した要因は以下の2つであると考えられます。
1.関係各社との連携をしっかりとディレクションしたこと
2.各社の役割、責任の所在を明確化し、仮説→検証→最適化といったPDCAサイクルを回したこと
CROの施策対象となる領域はDMPの登場等による、分析対象の拡大によって、更に発展していくのではないでしょうか。
▼登壇者プロフィール
株式会社レオパレス21 賃貸営業企画統括部 理事統括部長 佐々木 竜也氏
1988年株式会社レオパレス21に入社、同社賃貸事業部の営業部長を経て賃貸営業企画部門を統括。実店舗での施策、新規キャンペーン開発、インターネットプロモーションを統括し、オンラインとオフラインを横断的に検証し効果改善を行う。
クロスフィニティ株式会社 CROディビジョン マネジャー 田中 宏明
2005年にマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に入社。戦略系のコンサルタントを経験後、2006年に株式会社オプト入社。SEMコンサルタントを経て、SEO事業部の立ち上げに従事。2010年にクロスフィニティに転籍後、ソーシャル関連の新規事業立ち上げを経験し、2011年よりLPO事業の立ち上げを行う。2013年よりCROディビジョン・マネジャーに就任。