新年度のプロジェクトへ向け、施策の企画・立案に取り組んでいる読者のみなさまも多いことと思います。
その際には、2016年のSEO動向がどうなるのかも重要な要素になるのではないでしょうか。
昨年12月、米国seoClarity社ではオンラインセミナーを開催し、2016年のSEOロードマップについて講演を行いました。
今回は、SMXやPubconなどの世界的なデジタルマーケティングイベントでの講演歴を持つ、seoClarity共同創設者兼チーフアーキテクトのミト・ガンジー氏、seoClarityチーフSEOエバンジェリストのキース・グッド氏が行った講演から、そのポイントをご紹介します。

<今回のポイント>
・ポイント1:RankBrain(ランクブレイン)など、Googleのアルゴリズムは進化している
・ポイント2:Googleが目指すものに沿った”サーチエクスペリエンス”の最適化が重要に
・ポイント3:2016年に検討すべきSEOロードマップとは?
■ポイント1:RankBrain(ランクブレイン)など、Googleのアルゴリズムは進化している

photo credit:Freepikによるベクターデザイン
RankBrain(ランクブレイン)は200を超えるGoogleのアルゴリズムの構成要素の1つで、Googleのアルゴリズム「ハミングバード」やGoogleの人工知能エンジン「テンソルフロー (TensorFlow)」とは別のものです。RankBrain(ランクブレイン)はその有用性から、すぐにアルゴリズムの中で3番目に重要な部分となりました。
RankBrain(ランクブレイン)は、過去一度も出てきていないクエリや検索フレーズの意味を理解しようと試みます。
Googleがこうしたアルゴリズムの側面に焦点を当てているのは、英語を第一言語としていない、世界の多くの潜在ユーザーにアプローチしていくというGoogleの目指すゴールによるものです。
なぜなら、多くの開発者を抱えることなく地球規模に拡大していく唯一の方法は、時間とともに学習していくアルゴリズムを生み出すことだからです。
■ポイント2:Googleが目指すものに沿った”サーチエクスペリエンス”最適化が重要に

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Googleのビジョンに、機械学習はどのように統合されていくのでしょうか。
つまるところ、Googleは全クエリ・全ユーザーに単一的に対応するアルゴリズムから脱却し、各ユーザー個別のクエリに対応するアルゴリズムへと変わりつつあるのです。
seoClarityも、この流れに沿ったSEOへのアプローチを進めており、seoClarity社のミト・ガンジー氏は「SEOを“サーチエンジン”に対する最適化ととらえるのではなく、“サーチエクスペリエンス”の最適化ととらえる必要がある」と強調します。アルゴリズムの変化を追いかける現状から、検索結果ページからコンバージョンに至るまでのユーザーの利便性に目を向けていくことが重要なのです。
■ポイント3:2016年に検討すべきSEOロードマップとは?
こうしたSEOをめぐる状況の変化を踏まえ、2016年に検討すべき注力点として、講演では7ステップロードマップのほか、3つのポイントが指摘されました。
seoClarityの考える「7ステップロードマップ」を実践する
サーチエクスペリエンス最適化に向けたフレームワーク基づく、seoClarityの7ステップロードマップもぜひ実践してみてください。リンクやソーシャルシグナルを集めることばかりに注力するのではなく、まず強固な技術基盤を築き、その上でユーザーと結びつきを強め、分かりやすいコンテンツを作っていくことが大切です。しかし、多くのSEO担当者は取り組む順番が逆になってしまっています。

<7ステップロードマップ>
1. アーキテクチャーに関する課題【ユーザービリティ】
2. インデックス化に関する課題【ユーザビリティ】
3. ユーザー・マーケットサイズの評価【適合性/レリバンス】
4. ユーザーのセグメント化【適合性/レリバンス】
5. コンテンツマッピング【適合性/レリバンス】
6. コンテンツ最適化【適合性/レリバンス】
7. リンク(外部、内部、ソーシャル)【オーソリティ】
※これらを優先度の高い順(1から順)に取り組んでいくことが大切です。
チームを作り、チームの力を結集する

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SEOを組織全体に浸透させることで、チームを作り、チームの力を結集していくことも大切です。
たとえば、社内のコンテンツライターに向けて、キーワード含有率にばかりにとらわれず、コンテンツに関連した話題に関して行われるコミュニケーションに焦点を当てていくような教育をしてみましょう。
また、自社の経営陣や広報/マーケティングチームがネット上でブランドを築いていくよう力づけていきましょう。さらに、自社の開発担当者やエンジニアと協力しながら問題点(ネガティブSEOのような問題など)を監視し、サーチエクスペリエンスに対する全般的な影響を理解することも重要です。
計測指標をユーザーエクスペリエンス中心のものに再構成する
KPIについては、サイトのスティッキネス(滞在時間、直帰率)やエンゲージメント(CTR、コンバージョン率)についても焦点を当てることが重要になります。
そして、テスト、テスト、またテスト
最も成功しているサイトはCTRやコンバージョン率、ユーザーエクスペリエンス、その他エンゲージメント全般について改善策を定期的にテストしています。
これは誰もがまねることができる素晴らしい習慣です。
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いかがでしたでしょうか。SEOを取り巻く環境が大きく変化していく中で、こうした視点が施策立案の際にお役に立てば幸いです。
また、弊社ではseoClarityを活用したSEO施策の強化・サイト改善を積極的にご支援しています。ぜひお気軽にご相談ください。